障害者数

障害者数

地理学的欧州 (およそ8億の人口を持つ) における推定障害者数 (公衆用端末機利用上,問題があるような人達) は以下の通りである.
複数の障害を持つ人は珍しくない. 高齢になればごく普通のことである. 欧州における退職者数は今後20年間, 毎年1%以上増加し続けそうである.その結果, 障害者数も増加するであろう. 失禁などの障害が公衆用端末機を使うための能力に直接影響することは殆どないので, 本書では触れない.

移動障害者

下肢(原文はlegs & feet)の機能が低下すると,車椅子や人工的歩行補助具に頼らざるを得なくなる.このグループには先天的障害者に加え老化や事故によって状況が変化した多くの人達が含まれる.
車椅子使用者 300 万人
歩行補助具利用歩行者 4500 万人

巧緻運動障害者

上肢(原文はarms & hands)の機能が低下すると,腕の移動・回旋・回転や対象物を押すことに関連する動作が困難あるいは不可能になる. この障害は会話による意思疎通それ自体には影響しないが, 電話を掛けることや広範囲にわたる機器の利用を困難なものにする.

手指が使えない人 100 万人
片腕が使えない人 100 万人
筋力が低下した人    2200 万人
協調運動能力が低下した人1100万人

発声発語・言語障害者

発声発語障害は全般的あるいは流暢さや音量などの特定の面でのみ話す能力に影響することがある.言語障害はもっと広範囲な知的障害と関係していることがある.

発声発語障害者    200 万人
言語障害者   500 万人

認知障害者

失読症は個人識別番号などの数字を正しい順に記憶する際に重大な支障をきたす. 知的障害者は慣れ親しんだ環境では旨く行動できるが,指示に素早く反応することが要求されるような場合には容易に混乱しがちである.
(訳注:失読症は読書障害ともいい,失語症と重複することもある. なお, 公衆端末機の利用には直接影響しない失語症は本書の対象外である).

失読症患者       2500 万人
知的障害者 3000 万人

聴覚障害者

聴覚障害は音声周波数の全域, あるいは, 音声言語の知覚にとって重要な 250から 4,000Hzまでの周波数帯域というごく一部の音響スペクトルの聴き取りに影響する.聾という用語は音量増幅 (訳注:補聴器を指すものと思われる) が役に立たないほど深刻な聴力損失を持つ人達を呼ぶのに用いられる. また, 難聴という用語は聴力損失は軽度から重度まで様々であるが, 音量増幅が役に立つ人達を呼ぶのに用いられる.

聾者 100 万人
難聴者 8000 万人

視覚障害者

全盲とは形状認知能力が皆無あるいは殆ど無いことを意味する. 弱視はある程度は視覚的認知が可能な能力を意味するが, 弱視者は視覚以外の情報源に大きく依存している.

全盲・重度視覚障害者  100 万人
弱視者 1100 万人

高齢者

高齢者は新しい技能の習得に時間がかかったり,記憶することや指示への素早い反応が困難になりがちである.また多くの高齢者はセルフサービス端末機よりも人による手助けを好むが,この傾向は, 高齢者に適した使用手順(原文はuser interface) や操作説明を用意すれば克服できないわけではない.多くの高齢者は電話機やビデオ録画装置の機能を全て理解しているわけではないが何とか使っている.

高齢者         8000 万人

Kenji Horiuchi