万人向け設計方針

万人向け設計法

障害者や高齢者が公衆端末機を利用する際のアクセシビリティ(訳注:使い易さ)を顕著に向上させるためには, 設計者や製造者ならびにサービス提供者は,「万人向け設計」方針を採用する必要があり, 更に, 標準化にも留意する必要があろう.

本書の目的は, 公衆用端末機の製造者やサービス提供者に以下の原則を採用するよう促すことである.

1. もっと使い易くする必要がある機器やサービスを明らかにするための現存する機器やサービスの再検討
2.障害者も含めて幅広い範囲の多様な利用者に適切に対応することができる新しい機器やサービスの設計および開発.
3. 現在のアクセシビリティ水準を維持した上での機器やサービスの提供 (例えば, はっきり印刷された取扱説明書や, 端末機利用時の適切な操作練習機会の提供).

公衆用端末機を障害者が利用できるようにするためには, サービス提供者に対する法律が必要であろう.既に, 米国の障害者法(the Americans with Dis-abilities Act)や1996年版通信法(the 1996 Telecom-munications Act)は, 公衆用端末機を障害者も利用できるようにするよう求めている.既存機器の改造に要する多額の費用と,ますます増大する障害者数を考えると, 当初から障害者のニーズを考慮する方が賢明といえよう.





Kenji Horiuchi