対話式画面

対話式画面 (原文はScreens and interaction)

殆どの端末機は利用者に対する取扱説明を主に視覚的に行っている.障害者や高齢者にとって読み易い画面かどうかを決定する要素は大変多い.

色盲

全色盲の人は稀(人口の0.0025% 以下)だが, 赤色と緑色の弁別に問題のある人は珍しくない(男性人口の6%以上) .
〔左欄下図中の文字〕サービス

       ■ 交通機関
       ■ 公的情報
       ■ 旅行者情報
       ■ 天候

遠近両用の2焦点眼鏡をかけた人たちは, 近距離用あるいは遠距離用どちらのレンズも公衆用端末機の画面には焦点が合っていないため, 大抵の端末機での画面読み取りが困難である. さらに, 多くの人が自動車の中に眼鏡を置いたままにしていたり, 人前では眼鏡を着用しなかったりする. 従って, 画面の読み取りに問題がある人の数は全盲および弱視者の比率とされている人口の1.5%より遥かに多い.

画面の取付位置

日光はあらゆる利用者に対して表示装置の視認性を低下させるので, 表示画面は直接・間接を問わず日光や他の明るい光源から遮蔽する必要がある.

表示装置は車椅子に乗った人の目の高さから見えるようにしなければならない.

弱視者が,画面に顔を近づけることを妨げてはならない.

〔右欄上図中の文字〕   税金 補助金
             給付金 サービス

〔中央欄下図中の文字:左側から〕  0.9m以下, 1.1m以下,1.3m以下

〔左欄上図中の文字〕    ここでキーを押してください
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視差の問題

画面に表示する選択肢と機能キーを単に横に並べるだけでは, 端末機を立って利用する人と車椅子に乗って利用する人との要望は相反するものとなり(訳注:目線の違いから両者がズレて見える),その結果生じる視差に関する問題を抱えた大勢の利用者を無視することができなくなる. 機能キーと画面上の選択肢とを線で結び付けることによって, この問題を軽減することができる.

他言語対応

理想としては, 外国人客も含めて利用者が言語を選択できるようにしなければならない.この言語選択機能は, しばしば, 取扱説明を画面上に表示するか, あるいは, 音響的に行う場合にのみ実行可能となる. 利用者の好む言語をカードに記憶させておき, そのカードが挿入されると同時に端末機が自動的に言語を切り換えるようにすることが望ましい.

赤外線による接続

赤外線接続技術の進歩によって, 障害を持つ利用者が手持ちの赤外線リモコンを使って端末機に接続することが現実のものとなった. ただし, 赤外線リモコンの利用に際しては, 全ての端末機が同一のデータ送受信規約 (原文はinterface protocol) に従う必要があり, 情報の機密性を守る手立ても必要となろう.





Kenji Horiuchi